ホーチミンの日常と言語

トイレットーペーパーの使用はほどほどに

ただいま日本一時帰国中です。 トイレットペーパーを何も考えずにジャーっと流せちゃうって、だいぶ幸せなことだなと感じております。 ベトナム在住の方だったら、分かっていただけるのではないでしょうか 😳

ベトナムの水質汚染

ベトナムの生活排水って、浄化されずにそのまま河川に流し出されているそうです。

キッチン・シャワー・洗濯で使ったお水が、そのまま川に!?

都市部における汚水処理率は約14%である。

参照:国土交通省国土技術政策総合研究所

都市だけでなく農村でも、水質汚染は大きな問題になっていています。

おトイレ排水は各家庭の浄化槽が

おトイレの排水は、Septic Tank (腐敗槽)という浄化槽みたいなもので、行うそうです。

ベトナムにおいては住戸へのセプティック・タンクの設置が義務化されており、設置率は約 90%にのぼる

参照:JICA

Septic Tank (腐敗槽)では

沈殿分離と微生物による分解を行い、「処理水の部分」と、「汚泥の部分」に分離するようになっています。

「処理水」の行き先は、二つあり

① 道路の側溝等に放流する方法

② 地下浸透させる方法

「汚泥」は、定期的な引き抜きを行うことで長期間の使用が可能になるそうです。

バキュームカーで、汚泥を取り除くイメージでしょうか。

川や水たまりがにおう理由がわかった

おトイレ排水から出た、「汚泥」の対処法をめぐり問題があるそうです。

JICA 報告書にこんな記述がありました。

利用者の引き抜きの必要性に対する認識が小さく、 引き抜きを義務付ける法制度も存在しないため、大多数の利用者は、汚水のあふれ出し、トイレの詰まり、悪臭等、明示的なトラブルが発生し、やむを得ず汚泥を引き抜くのみである

処理性能が低下したセプティック・タンクは、処理不十分な排水を公共水域に排出し、水質汚濁、臭気の発生等を招いている

参照:JICA

汚泥の引き抜きをちゃんとしないので、汚水があふれだしている可能性があります。

ホーチミンの川ってちょっと匂うことありますよね。さらには、近所にできる水たまりが異様な匂いを放っていたことがありました。

 

そして処理が不十分なトイレ排水が道路の側溝に流れている可能性があるそうです。

洪水した道を裸足で歩かない方がいいというのは、こういう理由からなんですね!!! 😯

トイレットペーパーは流すとしても少なめに

トイレットペーパーはパイプが詰まるから流さない方がいいという話もあり、 基本的にはゴミ箱に捨てるようにしていますが、 流そうと思えば流せてしまうのも事実。悩ましいところです。

流したあとの下水処理は大丈夫なのか気になっていました。

トイレットペーパーの主成分であるセルロースは、微生物による分解がしにくい物質です。処理がされないため、汚泥として浄化槽の中に蓄積されます。

参照:北群馬衛生社

Septic Tank (腐敗槽)という浄化槽で残った汚泥は、ゴミとして埋立地にいくそうです。

「引き抜いた汚泥を山林または処分場内に固形廃棄物とともに散布、最終的に埋め立てることによって処分している。」

参照:JICA

ということは、結局は 流しても、ゴミ箱に捨てても、行き先は同じということです 💡

なかなか聞けないおトイレ事情の結論

トイレットペーパー

基本は流さず

ゴミ箱へ

(少しだけ流すのはOK)

このような結論になりました。

私のコンドミニアムは流してもOKとのことですが、 住宅事情がそれぞれあると思いますので、 管理人さんに確認してみてくださいね。

最後に今日の英単語

Septic tank

  • Septic 腐敗の
  • Tank 槽

Septic tank (腐敗槽)とは

フランスで19世紀末に発明された排水処理技術で、 東南アジアやアメリカ合衆国などのトイレが湿式(水洗トイレ)の地域において簡易な汚水処理装置として普及している。

参照:Wikipedia

なぜSepticと呼ばれるか?

Septic tank は、微生物によって有機物(ふん尿)を分解処理する方法をとっています。

微生物が汚泥などの腐敗に関与しているからのようです。

おわりに

今回は、ベトナムの水質汚染とトイレ事情についてお話しました。日本ではトイレットペーパーを気にせず流せることが当たり前ですが、ベトナムではそうはいきません。生活排水の処理率が低く、汚水がそのまま川に流れている現状があり、特にセプティック・タンクの汚泥処理の不備が問題です。トイレットペーパーは少量なら流しても大丈夫ですが、基本的にはゴミ箱に捨てるのが安全です。ベトナムに住んでいる方は、洪水時に裸足で歩かないなどの対策も忘れずに。日本の快適さを再認識しつつ、現地の生活に合わせた工夫をしていきましょう。

読んでいただきありがとうございました!

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